東京地方裁判所 平成4年(特わ)2427号 判決 1993年5月24日
本籍
福島県西白河郡東村大字上野出島字中峯三八番地
住居
浦和市南浦和三丁目四四番七号 第一森田荘二〇一号室
個室マッサージ業
堀内進
昭和三〇年五月三一日生
主文
被告人を懲役一年六か月及び罰金三五〇〇万円に処する。
この罰金を全額納めることができないときは、二五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判の確定した日から三年間懲役刑の執行を猶予する。
理由
(犯罪事実)
被告人は、浦和市南浦和三丁目四四番七号にある第一森田荘二〇一号室を住所地とし、東京都新宿区高田馬場三丁目一番四号にある菱田商事ビル三階外二か所において、「モンロー」等の名称で個室マッサージ業を営んでいたものである。被告人は、自分の所得税を免れようと考え、売上の一部を除外する方法により所得を隠して、
第一 昭和六三年分の実際の総所得金額が八二一九万六三八三円であった(別紙1修正損益計算書参照)のに、平成元年三月六日、浦和市常盤四丁目一一番一九号にある所轄の浦和税務署において税務署長に対し、昭和六三年分の総所得金額が一二六七万九九五二円で、これに対する所得税額が二六一万九六〇〇円であるという虚偽の内容の所得税確定申告書を提出した。そして、そのまま法定の納期限を経過させた結果、同年分の正規の所得税額三九五六万三八〇〇円と右の申告税額との差額三六九四万四二〇〇円(別紙4脱税額計算書(1)参照)を免れた。
第二 平成元年分の実際の総所得金額が一億二四二〇万三八三九円であった(別紙2修正損益計算書参照)のに、平成二年二月二六日、浦和税務署において税務署長に対し、平成元年分の総所得金額が一五六四万八七三九円で、これに対する所得税額が三七七万九二〇〇円であるという虚偽の内容の所得税確定申告書を提出した。そして、そのまま法定の納期限を経過させた結果、同年分の正規の所得税額五七四二万二〇〇〇円と右の申告税額との差額五三六四万二八〇〇円(別紙4脱税額計算書(2)参照)を免れた。
第三 平成二年分の実際の総所得金額が一億五五一一万七七七三円であった(別紙3修正損益計算書参照)のに、平成三年三月一三日、浦和税務署において税務署長に対し、平成二年分の総所得金額が一九二八万九二六七円で、これに対する所得税額が五二三万五六〇〇円であるという虚偽の内容の所得税確定申告書を提出した。そして、そのまま法定の納期限を経過させた結果、同年分の正規の所得税額七二九四万円と右の申告税額との差額六七七〇万四四〇〇円(別紙4脱税額計算書(3)参照)を免れた。
(証拠)
(注)括弧内の算用数字は、押収番号を除き、証拠等関係カード検察官請求分の請求番号示す。
全事実について
1 被告人の
<1> 公判供述
<2> 検察官調書七通
2 藤本正次、村田薫、青戸俊之、佐藤祐佶の検察官調書
3 売上高調書、給料賃金調査書、地代家賃調査書、水道光熱費調査書、旅費交通費調査書、通信費調査書、広告宣伝費調査書、クリーニング代調査書、福利厚生費調査書、繰延資産償却調査書、雑費調査書、所得控除調査書
4 捜査報告書(甲24)
5 証明書
第一の事実について
6 修繕費調査書
7 所得税確定申告書控一袋(平成五年押第一九七号の1)
第二の事実について
8 所得税確定申告書控一袋(同号の2)
第三の事実について
9 租税公課調査書、収入金額調査書(不動産所得)、減価償却費調査書(不動産所得)、支払利息調査書(不動産所得)、租税公課調査書(不動産所得)、保険料調査書(不動産所得)、修繕費調査書(不動産所得)、広告宣伝費調査書(不動産所得)、雑費調査書(不動産所得)
10 捜査報告書(甲15)
11 所得税確定申告書等一袋(同号の3)
(法令の適用)
罰条
いずれも所得税法二三八条一項、二項(情状による)
刑種の選択
いずれも懲役刑と罰金刑を併科
併合罪の処理
刑法四五条前段
懲役刑について 刑法四七条本文、一〇条(犯情の最も重い第三の罪の刑に加重)
罰金刑について 刑法四八条二項(各罪の罰金額を合算)
労役留置場
刑法一八条
懲役刑の執行猶予
刑法二五条一項
(出席した検察官渡邉清、弁護人各務邦彦)
(裁判官 朝山芳史)
別紙1
修正損益計算書
<省略>
別紙2
修正損益計算書
<省略>
別紙3
修正損益計算書
<省略>
別紙4
脱税額計算書
(1) 自 昭和63年1月1日
至 昭和63年12月31日
<省略>
(2) 自 昭和64年1月1日
至 平成元年12月31日
<省略>
(3) 自 平成2年1月1日
至 平成2年12月31日
<省略>